不動産会社へ査定を依頼すると、
「査定価格は3,200万円です」
などと金額を提示されます。
そこで売主様からよく出るのが、
「では、3,200万円で売り出すのですか?」
という疑問です。
私は、査定価格と売出価格は必ずしも同じではないと考えています。
査定価格は、周辺の成約事例や現在販売されている物件、土地や建物の条件などから、不動産会社が売却可能性を検討して出す一つの目安です。
一方、実際の売出価格を決めるときには、
・売主様はいくらで売りたいのか
・いつまでに売りたいのか
・周辺にどんな競合物件があるのか
・高めの価格に挑戦する余裕があるのか
なども考える必要があります。
そのため私は、最初から
「査定価格は○○万円だから、この価格で売りましょう」
とは決めません。
価格と売却期間を一緒に考えて、販売計画を決めることが大切だと考えています。
査定価格は「売れることを保証する価格」ではありません
まず知っておきたいのは、査定価格は売却を保証する価格ではないということです。
例えば、不動産会社から3,200万円という査定価格が出たとしても、
必ず3,200万円で買主が見つかるとは限りません。
反対に、物件条件や市場の状況によっては、それ以上の価格で購入希望者が現れることもあります。
不動産の価格は最終的には、
その条件で購入したいという買主が現れるかどうか
によって決まります。
ですから私は、査定価格を「正解の数字」として見るのではなく、売出価格を考えるための基準の一つとして考えています。
売主様の希望価格も確認します
例えば査定価格が3,200万円だったとして、
売主様が
「できれば3,500万円で売りたい」
と希望されているとします。
その場合、私は最初から
「3,500万円では無理です」
と決める必要はないと思っています。
なぜ3,500万円で売りたいのか。
・住宅ローンの残債がある
・住み替え資金が必要
・相続人の間で希望金額がある
・時間がかかっても高く売りたい
など、理由によって考え方は変わります。
売却までの時間に余裕があり、その価格に挑戦することを売主様が理解されているのであれば、少し高めの価格から販売を始める方法もあります。
ただし、その場合に大切なのは、高く出すことではなく「いつまでその価格で販売するのか」を決めておくことです。
高めの価格から売り出すなら期限を決めます
例えば、
査定価格 3,200万円
売主様の希望 3,500万円
だったとします。
売却期限に余裕があるなら、
「まず3,500万円で1か月販売してみる」
という考え方もあります。
ただし私は、そのまま何か月も反応がない状態を続けるのではなく、
1か月後に、
・問い合わせは何件あったか
・内覧はあったか
・購入希望者からどんな反応があったか
・競合物件の価格はどう変わったか
などを確認します。
そこで反応が良ければ、そのまま販売を続ける判断もできます。
反対に、ほとんど反応がなければ、価格や販売方法を見直す必要があるかもしれません。
「高く売り出すこと」より、「その後どう判断するか」まで決めておくことが重要だと思っています。
売れないからすぐ値下げ、とは考えません
販売を始めて反響が少ないと、
「価格を下げた方がいいですよ」
と言われることがあります。
もちろん、価格が原因になっている場合もあります。
ただ、私は
売れないからすぐ値下げする
という考え方では進めません。
まず、
・そもそも問い合わせが来ているのか
・内覧まで進んでいるのか
・物件写真や広告内容は十分か
・競合物件と比べてどう見えるか
・建物の状態に問題があるのか
・購入希望者がどこで迷っているのか
を確認します。
例えば、問い合わせ自体がほとんどない場合と、
内覧は何件もあるのに購入申込みにつながらない場合では、考えられる原因が違います。
ですから、
「なぜ売れないのか」を整理してから価格を見直す
という順番が大切だと考えています。
問い合わせが少ない場合は価格が一つの原因かもしれません
売出し後、一定期間たってもほとんど問い合わせがない場合は、価格が市場から離れている可能性があります。
購入希望者は、一つの物件だけを見ているわけではありません。
同じ地域、同じ価格帯、似た広さの物件を比較しています。
例えば、
周辺で3,000万円前後の物件が複数販売されている中で、同程度の条件の物件が3,500万円で出ていれば、
購入希望者から比較対象に入りにくくなる場合があります。
その場合には、
「今の価格を続けるのか」
「価格を見直すのか」
「もう少し時間をかけるのか」
を売主様と相談します。
内覧はあるのに売れない場合は、価格だけが原因とは限りません
一方、問い合わせや内覧はあるのに購入につながらない場合があります。
この場合は、
・室内の状態
・残置物
・建物の傷み
・周辺環境
・駐車場
・間取り
・購入後に必要なリフォーム費用
などが影響している可能性もあります。
内覧後に不動産会社が買主側の反応を確認できれば、
「価格が高い」
「リフォーム費用が思ったよりかかりそう」
「他の物件と迷っている」
など、判断材料が増えます。
ですから私は、価格を変更する前に、内覧した方がどこで迷ったのかをできるだけ確認したいと考えています。
値下げする場合も「いくら下げるか」が重要です
価格を見直す場合でも、
「とりあえず50万円下げましょう」
と機械的に決める必要はありません。
例えば3,500万円から3,450万円に変更しても、購入希望者から見た印象がほとんど変わらないことがあります。
一方で、検索する価格帯によって購入希望者の目に触れる範囲が変わることもあります。
そのため、
・周辺の競合物件
・これまでの問い合わせ状況
・売却希望時期
・売主様が許容できる価格
を確認しながら、新しい売出価格を決めます。
価格変更をするなら、何となく下げるのではなく、目的を持って変更することが大切です。
「いつまでに売りたいか」で価格戦略は変わります
売出価格を決めるうえで、私が特に重視するのが売却希望時期です。
例えば、
「1年くらいかかっても構わない」
という方と、
「半年以内に売りたい」
という方では、同じ物件でも販売方法は変わります。
時間に余裕がある場合は、高めの価格に挑戦できる余地があります。
一方、
・住み替え先の購入が決まっている
・相続した空き家の管理を早く終わらせたい
・一定時期までに現金化したい
という場合は、売却可能性を重視した価格設定が必要になることがあります。
つまり、
「いくらで売りたいか」と「いつまでに売りたいか」はセットで考える必要があります。
買取価格を確認しておく方法もあります
売出価格を考えるとき、前回の記事で取り上げた買取価格を確認しておくのも一つの方法です。
例えば、
仲介での想定価格 3,200万円前後
買取価格 2,500万円
という場合。
売主様が、
「半年くらいかけても3,200万円前後を目指したい」
と考えるのか、
「価格が下がっても早く売却したい」
と考えるのかによって判断は違います。
仲介と買取の価格差を知っておくと、時間と価格を比較するための材料になります。
私なら最初に販売計画まで決めます
京田辺市で不動産売却の相談を受けた場合、私は売出価格だけを決めて終わりにはしません。
まず、
- 査定価格はいくらか
- 売主様はいくらで売りたいのか
- いつまでに売却したいのか
- 周辺にはどんな競合物件があるのか
- 高めの価格に挑戦する期間はどのくらいか
- どの反応なら価格を見直すのか
- 買取という選択肢ならいくらなのか
を整理します。
例えば、
「まずこの価格で1か月販売する」
「問い合わせや内覧状況を確認する」
「反応が少なければ次の価格を相談する」
というところまで最初に決めておけば、途中で慌てて判断する必要がありません。
私は、売出価格は一度決めたら終わりではなく、販売状況を確認しながら調整するものだと考えています。
一番高い価格で売り出すことが目的ではありません
売主様にとって、高く売れることはもちろん大切です。
私も、できるだけ良い条件で売却できる方法を考えたいと思っています。
ただし、
高い価格で売り出したものの長期間売れない。
その後、何度も価格を下げる。
という進め方が売主様の希望に合っているとは限りません。
反対に、早く売りたいからといって、最初から必要以上に低い価格にする必要もありません。
大切なのは、
価格、期間、販売方法を最初に整理し、売主様が納得できる販売計画を作ること
だと考えています。
まだ売出価格を決めていない段階でも構いません。
京田辺市で、
「査定価格が会社によって違って迷っている」
「いくらで売り出せばいいのか分からない」
「価格を下げるべきか迷っている」
という方は、お気軽にご相談ください。
売るためではなく、後悔しないための相談です。
